攻撃を受けても止まらないシステムを、評価する

上下二段の対比図。上段は時間軸に縦棒がほぼ等間隔に並び、一様に来ると仮定した場合(Assumed uniform)を表す。下段は同じ時間軸に縦棒が固まりを作って偏り、実際は偏って来ること(Actually bursty)を表す。右には四つの四角を並べたシステムを置き、一つだけ灰色に塗って、一部が乗っ取られても続くこと(Runs on despite a compromised part)を示している。

侵入を完全に防ぐことはできない、という前提に立つ設計思想があります。侵入耐性システム (intrusion tolerant system) は、攻撃者に一部を乗っ取られても全体としてサービスを続けられるように作られたシステムです。

問題は、その「粘り強さ」をどう測るかです。攻撃はいつ来るか分からず、しかも一様に散らばってはいません。特定の時期に集中したり、相関を持って連続したりします。

この研究では、攻撃の到着をマルコフ到着過程で表しました。到着のばらつきと相関を同時に扱える表現で、研究室が通信トラフィックの解析などで培ってきた道具です。これを侵入耐性システムのモデルに組み込み、可用性やセキュリティ指標を定量的に評価しました。

攻撃の来方が偏っているとき、単純なポアソン過程を仮定した評価では危険を見誤ることを示しています。

元になった論文

Quantitative Security Evaluation of Intrusion Tolerant Systems with Markovian Arrivals

IEEE Transactions on Reliability (2021)