確率モデルの数値解析
大規模なマルコフ連鎖を高速に解く。位相型分布・マルコフ到着過程・EM アルゴリズム。
離散時間・連続時間マルコフ連鎖は、信頼性評価に限らず待ち行列システムなどの性能評価で広く用いられています。特に信頼性の分野では、シミュレーションでは到達しにくい精度で評価指標を求める必要があるため、モデルに基づく解析が重要になります。
現実の情報システムを確率モデルで表現すると、振る舞いが複雑になるほど状態数が指数的に増え、計算が困難になります。当研究室では、大規模な状態空間をもつマルコフ連鎖に対する数値計算アルゴリズムを研究しています。定常状態・過渡状態の評価指標を求める高速かつスケーラブルな算法、位相型分布やマルコフ到着過程を用いた近似、並列計算に適したアルゴリズムなどが対象です。
推定の側面も重視しています。グループ化されたデータからマルコフ到着過程のパラメータを推定する EM アルゴリズム、左側切断・右側打ち切りを含むデータに対する位相型分布の推定など、実データの制約を前提とした手法を開発しています。確率ペトリネットやフォールトツリーによるモデル記述と、その数値解析も扱います。
この分野の研究紹介
この分野の体験デモ
じゃんけん × 強化学習 (別サイトが開きます)
じゃんけんを題材に、マルコフ連鎖と強化学習を体験できます。人の手の癖を学習する AI と対戦し、統計がリアルタイムに変わる様子を確かめられます。
強化学習で挑戦!倒立振子 (別サイトが開きます)
棒を倒さないように台車を動かす、制御の古典的な題材です。強化学習のエージェントが試行を重ねて上達していく過程を観察できます。
確率的被覆信頼性デモ (別サイトが開きます)
センサをどこに置けば地域を確実に見守れるかを、二分決定図(BDD)で厳密に評価します。センサを動かすと信頼性が即座に再計算されます。計算はすべてブラウザ内で実行されます。
この分野の公開ツール
PhaseTypeInference.jl Julia
打ち切り・切断・グループ化を含む不完全なデータから位相型分布を推定する。AIC / EIC によるモデル選択つき。
旧 PhaseTypeDistributions.jl の後継です。
NMarkov.jl Julia
マルコフ連鎖の数値計算を行う Julia パッケージ。
DEQuadrature.jl Julia
二重指数関数型公式による一次元数値積分。有限区間・半無限区間に対応。
mapfit R
位相型分布とマルコフ到着過程のパラメータ推定を行う R パッケージ。CRAN で公開。
deformula R
二重指数関数型公式による一次元数値積分の R パッケージ。CRAN で公開。